「どうしたのだ? 化粧をしておらぬ私の顔が変か?」「いいえ、今のカナン様があまりに美しく魅力的なので、危うく惚れそうになるところでございました」「はっはっはっ! やっと私の魅力に気がついたか」「「「じ~っ」」」 アネモネとプリムラをはじめ、獣人達もじっと俺の顔を見ている。「まてまて――大丈夫だって、惚れそうになったと言っただけで、惚れたわけではないからな」「私はいつでも、いいのだぞ?」「いいえ、不貞はよろしくありませんから、やめましょう。私には妻も家族もおりますし」「なぁに、まだ1ヶ月あるからの」 夫人がなにやら、ニヤニヤしているのだが、ぶっちゃけありえない。 主人が留守だからといって、この人は、はっちゃけ過ぎだろう。「ありえませんが」「それと、ケンイチ殿! このように髪が美しくなる、あの薬品は私にも卸してくれるのであろう?」「あれは私の秘薬で非売品なのですが……」「すこしぐらいよいではないか、よいではないか~」 女が、美しくなる薬を見つけたら、そりゃ欲しがるわなぁ。 シャングリ・ラで売っている化粧品等を王侯貴族へ売ったら、こりゃ大騒ぎになるな。 それだけ金になるって事だが――柵が膨大に増えそう。 秘薬の製法や在処を聞きだそうと、アネモネやプリムラが人質に取られたりして……あり得る。 注意しなければならない。 皆の食事も終わり、人夫達が森の中へ入っていく。 俺もアイテムBOXから、コ○ツさんを取り出して、作業にとりかかる事にした。今日からは森の中での作業になる。 アイテムBOXから、昨日女達が開けてくれた白灯油の入った青い浴槽を取り出して、燃料の調合を行う。 それを電動ポンプを使って、コ○ツさんに流し込むと、腹いっぱいになった鉄の召喚獣を目覚めさせる。「気合を入れていかねば」 俺は重機に乗り込むと、エンジンを始動。 フットバーを踏み込むと、鋼鉄のカタピラを軋ませて巨大な身体を森の中へ進入させた。