「大きい」という形容詞については、それが修飾する名詞が具体的なものである場合には,「人」や「車」のような3次元、あるいは「紙」や「壁」のよ ぅな2次元的な広がりをもっている必要があり,「紙」や「糸」のように1次元的な性質しかない対象を指示する名詞を夜修飾語として選択することはない。 また、.修飾名詞が抽象的なものである場合には,「影響」や「悩み」のように「程度」に相達のありうる対象であることが必要であって,「癖」や「推論」 のような程度という性質とは相容れない意味をもつ対象は「大きい」で修飾することはできない!. 文のレベルでも,たとえば「走る」という動詞は「移動する」という意味持 賞をもつから、その主体を表示する名詞も、やはり移動することがありうる対象を指示するものである必要がある、したがって,「人」「動物」「車」「電車」 などは主体となりうるが、「木」「紙」「家」などの移動することのない対象を指示する名詞は主体となることはできない。さらにまた。「走る」が「移動する」という意味特徴をもつ語であっても。「飛行機」や「船」が主体となりえないことを考えると、「走る」がその主体となる語に要求する意味特徴としては、「産の上を移動する!のようなものが適当であると判断される。