「いえ、先ずはチーズの製法を売り込む事にしましょう」「しかし、子牛を1頭犠牲にして、作れなかったら大赤字だな。子牛はどのくらいの値段なんだ?」 プリムラの話だと10万円ぐらいの値段らしい。そして成牛になると100万円ぐらいのようだ。 一財産だが相手は生き物だ。病気になったり怪我をしたり、何があるか解らん。 特にこの世界は獣医がいないようなので、家畜を失う事も多いだろう。「旦那~この甘い香りは、なんなんだい?」「にゃ~、ウチも気になるにゃ」「これは、お菓子用の香料だよ」「どうやって作るのかは、知らないんですか?」 プリムラは香料の製法が気になるようだ。「え~? 花の種から作るって聞いたが、詳しい事は解らないな」「そうですか……」 これも、商売のネタにしようとしたのかな? そりゃ、俺が持っている物は殆どが商売に使えるとは思うが。 茶碗蒸しも好評だったが、このプリンも皆に好評だった。 牛乳と卵と砂糖だけなので、この世界の材料でも作れるだろうが、砂糖がかなり高価なので、一般には普及しないとは思う。 貴族用のお菓子だな。 思いつきで、蒸しプリンを作ってしまったが、シャングリ・ラでデザートの本を購入して読んでみる。 ふむふむ、ゼラチンが入っていないのは、カスタードプリンらしい。なるほど~これがカスタードプリンかぁ 本ではオーブンで焼いているのだが、蒸しても構わんだろ。出来上がりは同じだからな。