そして、隣の部屋の壁をぶち抜いた場合だが、当然その分の部屋が減ることにはなるが、工期はこちらの方が短いとのことだった。 要は広さを選ぶか、工期を選ぶかだ。 俺は工期を選んだ。 隣の部屋の壁をぶち抜いた場合は四日もあれば十分だって言うんだもん。 風呂の隣の部屋は正直あんまり使ってないしね。 ブルーノさんと話して、風呂の拡張工事には明後日から入ることに決まった。 そして、風呂の拡張工事とは別に……。「ブルーノさん、風呂の件とは別件で相談したいことがあるんですが……」 俺はブルーノさんに奴隷従業員を増やしたいので、その家の建築もお願いできないか相談してみた。 建てる場所はというので、母屋の裏へ案内した。 既に建っている3棟の家の裏手には木が生えているのだが、その木を切って更地にすれば割と広い土地が確保できる。 そこに建ててほしい旨と、これからのことを考えて3棟か4棟くらいは家を建てておきたいということを話した。 すると、ブルーノさんからは「木の伐採と更地については、他の業者に頼んでくれ。儂のとこはあくまでも建築屋だからよ。更地になってからなら3棟でも4棟でも建てちゃるぞ」とのことだった。 ただ、それでも今は忙しくてすぐにというわけにもいかないそうだけどね。 風呂の拡張工事とは違って、家を建てるとなるとやはりそれなりに工期がかかるとのことだ。 しかも、うちみたいのだと余計にね。 アルバンがちょうど畑仕事をしていたから、断りを入れてアルバン一家の家をブルーノさんに見てもらって、これと同じ感じの仕様でとお願いしたら、「風呂付の奴隷の家なんて初めて見たわ」ってちょっと呆れられたからね。 風呂があれば水回りの工事もあるから、費用も高く工期も長くなるのは当然だって話だった。 ブルーノさんの話では、今請け負っている仕事が片付くのが2か月後くらいだっていうから、実際にうちの奴隷従業員用住宅の工事が始まるのはそれ以降ってことになりそうだ。 ブルーノさんには、それまでには更地にしてすぐに工事に入れるように準備しておけと言われた。 木の伐採と更地か。 その辺は、フェルたちの魔法で何とかなりそうな気もしないでもない……。 まぁ、要検討ということで。 そんなこんなでブルーノさんたちの下見と打ち合わせも済んで、ドワーフと言ったら酒だよねってことで、皆さんが帰る前に付け届けとしてウイスキーを1本ずつ渡したのだが……。