――次の日の朝。 結局やってしまった……ベッドの上には裸のアザレアが寝息を立てている。「はぁ……こんな若い子に、何やってんだ、俺」 落ち込んでいても仕方ない、やるべき事があるのだ。アザレアを起こして、牛乳を掛けたグラノーラを食わせる。「なにこれ~! パリパリして甘くておいしい!」「旅行用の保存食だよ。乾燥させてあるから、日持ちする」 裸のアザレアがグラノーラを頬張っている。会話の前に服を着てほしいのだが……。「コレも売れると思うよ」「砂糖や果物を使っているからな――高い物じゃ、街の人間は買わないだろ? 貴族は相手にしたくないしな」 アザレアが甘い物を食べて、貴族様みたいと言っていたので、多分、砂糖も貴重品だと思われる。 故に、安くは売れないだろう。