side シルビア なんだろう。アカネコが可愛いぞ……? 最初は「またライバルが増えるのか」と落ち込んだものだが、彼女と接しているうちに段々と彼女のことがわかってきたせいか、別に落ち込む必要はないのだと思えるに至った。 素直な後輩、といったところか。今まで身近にいたことのないタイプだ。 如何せん、周りが本当に無茶苦茶なやつばっかりなため、彼女のようなまともな存在が嬉しくて仕方ない。 それに、こうしてセカンド殿を抜きにして彼女にアドバイスしていると、私が紛れもない“強者”だと自覚できる。私自身を見つめ直すことができる。 だって、そうだろう。私は鬼穿将戦挑決トーナメント優勝者だぞ? 一生誇れる栄誉だ。それが、セカンド殿と一緒にいるだけで「だから何?」程度の価値に落ちてしまう。 いや、当然のこととは思うし、セカンド殿のおかげでこの栄誉があるのだともわかるが、でも、たまには、ちょっとくらい、良い気分になってもいいではないか! 私はアカネコが気に入った。気に入ったったら気に入ったのだ! よし、この真面目で素直な後輩を可愛がろう。私はそう決めたぞ! そうしてファーステストに二人目のツッコミ役を配備し、私のツッコミ的負担をじわりじわりと減らすのだっ!