魔導師達がカークをベタ褒めしている。 一部何かが違っている気もするが、カークが仕留めたのは確かである。「あ! この鳥、すぐにひっくり返そう。これなら血抜きがすぐできる」「首長大鳥はたき火で焼いてもいけたもんな。草食だから臭みがないんだっけ?」「ああ。最近は麦と果物を食べてたから、脂のノリもよさそうだ」 首長大鳥は、村で倒してもいい食用になる鳥である。身は固いが味はなかなかいい。「これなら素材もきれいに採れるな。嘴と魔核と心臓と胃と……あとなんだっけ?」「風切羽です。羽毛もできるだけお願いできますか? 魔導部隊と神官の方で使いたいので」「かまいませんが、羽毛も何かの付与になりますか?」「洗って乾かしてから、冬の防寒具に入れます。鍛え方が足りずに恐縮ですが、動きが少ない待ち伏せでは冷えがきつく……あと、クッションに大変良いと聞きまして。馬車に慣れぬ者はその、腰と尻にくることがありますので……」「なるほど……なるべく多く取るようにします」 魔物討伐部隊員は馬も馬車も慣れているが、魔導師や神官には切実な悩みであるらしい。 以前であれば、必要事項だけを話し、互いに必要素材を簡単に分けて終わっていた。 だが、遠征用コンロを囲み、一緒に飲食を重ねるうちに、腹を割って話すことも増えた。 おかげで、遠慮なく話ができつつある。「羽はむしって麻袋に入れて……肉が多いから、たき火で焼きつつ、遠征用コンロで煮るか?」「焼き鳥はどうだろう? 甘ダレが馬車にあるし」「ロセッティ商会長がくれたミックススパイスもあるぞ。あれでソテーはどうだ?」「全部やるだけはあるだろう。あとは、帰るだけだしな」 隊員と魔導師達は、たき火とコンロ、酒の準備にと忙しく動き回っている。 首長大鳥の本体は太い木二本がけで吊るされ、血抜きされていた。 血のしたたりが少なくなったのを見届け、カークが声をはり上げる。「皆さーん、解体と羽むしり手伝ってください!」「おお!」 隊員達の返事は高らかに響いた。