そんな時に璃々奈が仲間を引き連れて手芸部にやってきた。「麗華さんたら、こんな地味な部に入ってるの!」と。
このバカ従妹め!私は内心怒りの炎が燃え上がったが、璃々奈には大勢の取り巻きがいる。璃々奈が入部すれば新入部員大量獲得のチャンスか?!と計算し、「まぁいらっしゃい、璃々奈さん。手芸部に興味がおありかしら?」と愛想良く迎えてやったのに、「まさか!私が手芸部なんてマイナーな部に入るわけないじゃない。ただの麗華さんの冷やかしよ!」と言い放ったので、問答無用で叩き出してやった。
そのやり取りを運悪くほかの見学者に見られてしまい、貴重な新入部員候補がなぜか怯えて逃げて行った。璃々奈めーー!
私は部長さんにそっと背中を押されて、一番奥の定位置に戻された。私の前にトルソーが衝立のように並べられた。
トルソーに囲まれてひとりぽっちの隔離状態は寂しいです…。