日が暮れる頃合、ブルーノさんから声がかかる。「待たせたな。工事、終わったぞ」 早速、工事が終わった風呂場を見せてもらった。「おお~、広くなった」 そのための工事なのだから当然ではあるが、風呂場は今までの倍くらいの広さになっていた。 今回新調したゴン爺のための風呂も、元々ある風呂の隣に設置されていい感じだ。「水の通りも問題ない。どうだ?」「はい、完璧です」 さすがドワーフというべきか。 こういう物づくりをやったら右に出るものなしだね。「当然だ。あんな美味い酒もらっちまったら、下手なことはできねぇよ」 約束どおり、昨日の工事終わりにウイスキー配っておいたからね。 当然今日も……。「約束の酒です。昨日よりも多めに出しますんで、皆さんと楽しんでください」 事前に用意しておいた、昨日渡したのと同じ大瓶のウイスキーを20本ほど取り出した。「ありがとよ! 遠慮なくもらってくぞ!」 ブルーノさんも従業員の方もウイスキーを見てニッコニコだ。 酒がホントに好きだね~。 ここに工事に来てくれた方々10名のうち、ほとんどがドワーフでさ。 他にも人族と獣人の方もいたけど、そちらも無類の酒好きだって話だったし。 そういう方たちがそろってるんだから量も必要かなと思って、昨日も大瓶を渡したんだ。 昨日は10本ほど渡したけど、案の定というか、ブルーノさんとこの事務所で大宴会やったらしい。 今日も当然その予定みたいで、俺も参加しないかってブルーノさんに誘われたけど、丁重にお断りしたよ。 酒は飲めるけど強いわけでもない俺が、ドワーフやそのドワーフに付き合える方々と飲んで無事でいられるわけないからね。 それに、今日はキレイになった風呂をみんなと一緒に堪能したいしね。