門番の人に地下室の奥へと案内されながら、険しい顔をしたセキさんが「リュウキの様子はどうだ?」と問いかけると、門番の人は苦々しく首を横に振る。「未だ意識が定まっていません。傷口も荒れてきて、熱も下がらない状態で……。もしかしたら、もう……」 セキさんがそれを聞いて体をこわばらせたのがわかった。口では何も言っていないけれど、心配に違いない。大切な息子さんのことだもんね……。 私たちが奥の部屋に入ると、中は思ったよりも広く、たくさんの人がいた。セキさんが来てくれたことを知ると、みな痩せこけた顔を笑顔に変えてくれる。 そして、そのまままっすぐリュウキさんがいるという場所に向かう。 リュウキさんだけじゃなく、怪我した人は何人もいて、ここよりも奥の部屋に集められているらしい。