そのあと3人でティーサロンに行ったりショッピングをしたりして家に帰ると、お父様がケーキを買って帰ってきた。狸は女の子へのお土産は甘いお菓子という貧相な発想しか持っていない。食べ物しか頭に思い浮かばないからメタボなんだな。
麻央ちゃんもダイエット中のはずなのに大丈夫かなと思ったけれど、優しい麻央ちゃんは笑顔でお礼を言っていた。いい子だ…。
麻央ちゃんの初等科での話などを聞きながら楽しく夕食を食べたあとは、私の部屋でまったりと過ごした。
麻央ちゃんが部屋の隅に置いてあるニードルフェルトの材料に興味を示したので、学園祭に出品する話をしてベアトリーチェの写真とスケッチブックを見せた。
「わぁっ!素敵っ、上手っ。この絵は麗華お姉様が描いたんですか?」
「いいえ、これは私のお兄様が描いたのよ」
「麗華お姉様のお兄様は絵がとってもお上手なんですね。あ!こっちも素敵。わぁ…、ん?あら?これは…」
なに?あっ!それは、私の描いた絵!