「ノビキノコにゃ」「これがそうか」 この細長いのが伸びきると、小さな傘を開いてすぐに枯れると言う。それ故、傘が開く前の物が採取に向いているらしい。「早速、採って晩飯に使おう」 確かに、このキノコは分かりやすく、目にもつきやすい。 キノコの場所から戻ってくると、アネモネとプリムラが薬草を探していた。「ケンイチ! ケンイチが刈った草の中にも赤露草があったよ」「本当か? 気が付かなかったな」「俺が探してやるよ。足元にあるなら匂いで直ぐに解るから」 ニャメナが自慢の鼻で手伝ってくれるようだ。「頼むよ。ノビキノコで美味い晩飯を奢るからな」「そいつは楽しみだね」 やはり、この崖の上は当たりだったようだ。「アネモネ、プリムラ、あまり崖の端には行くなよ。崩れて落ちるかもしれないからな」「うん」「解りました」 しかし子供に、こんな危険な場所へ来させるのはなぁ――とは言っても、この世界じゃ12歳になれば、働き始めて大人扱いされるって話だし……。 子供扱いは良くないのか――子供なんて全く縁がなかったのに、いきなり子持ちみたいなもんだからな。 どう接していいものか……悩むねぇ。