「なんとなく、うちと通じるとこあるなぁ。勝った方のエルフ」「ラズはもっと頭脳派な感じがするけどな」「え、ほんまに!? 嬉しいわぁ~」 ニルとケビン先生の勝負を観戦していた俺たちは、試合終了後、思い思いの感想を口にした。 ラズは、ケビン先生の盤外戦術に親近感を覚えたらしい。いやいや、口には出さなかったが、お前の方が数倍えげつないよ。「……セカンド殿。ニル殿は、魔術師をやめてしまうと思うか?」 ニコニコと上機嫌なラズを横に、シルビアが硬い顔をして言った。 試合後の二人の会話を聞いて、なんとなく察したのだろう。「やめるだろうな」「やはりか」「向いてないと自分で言ってりゃ世話ないさ。向いてなきゃできんのなら、他に向いてることを探すしかない」「見つけてほしいものだ……私は、そう思う」「もう、ヒントを出しているやつはいるようだ」「……うむ!」 なかなか、自分が得意なことに自分で気付くことは難しい。 運良く“得意”に巡り会えるか。はたまた、運良く“人”に巡り会えるか。 俺は前者で、彼女は後者。ニルは、どうだろうな……?