さっ! ちゃっちゃとグリーンドラゴンを倒しに行きましょう!」「ひゃぁ!?」 背中をバシッと、しかし軽く叩いただけなのだが、アイリーンは身の丈程飛び上がった。 使い魔という自分に慣れない頃のポチみたいで非常にからかい甲斐がある。実に結構だ。 恐る恐る歩き始めるアイリーンの後ろを、俺とポチが付いて行く。「何だか楽しそうですね、マスター?」「わかるか? いやに懐かしくてな? ちょっと面白くなってきたんだ」「私、マスターがそんな顔してる時、嫌な思いしかしてなかった気がします」「最近じゃ真逆だけどな」「はぁ……まぁアイリーンさんには良い薬かもしれませんね…………」 そんなポチの溜め息を聞き、俺はにやにやと笑いながらその頭を撫でた。それはもう、ぐわんぐわんに。「本当に大丈夫でしょうか……」「頼りにしてるぞ、大天獣様!」「大丈夫に決まってるじゃないですかっ!」 始まりの地で生きる昔の俺よ…………。 今日も俺は楽しく生きているぞ。