「セキ、そんな尋問みたいな……」 とコウお母さんが、私をかばおうとしているのを手で止める。 魔法を使っていけば、こうやって聞かれるだろうことは覚悟していた。 そのために、この時のために用意していた言葉もある。 嘘を言うことになるけれど……でも前世とかの話よりも信憑性もある。「私が、生物魔法といわれているものの、呪文を知ったのは、偶然です」「偶然?」 そんな言葉で、納得する私じゃないぞ、という顔をしたセキさんが、眉をひそめる。 まあまあ落ち着いて。説明はまだまだ続くからね。「セキさんは、魔法爵を貰った時に、名字を作りましたよね? 「ナニワヅ」という名字です。それにリュウキさんも、爵位取得後、『ウジカワ』という名字をつけた。魔法爵の方々は、苗字をつけるとき、呪文の一部を切り取って名字とすると聞きました。『ナニワヅ』も『ウジカワ』も、呪文の一部を拝借したんですよね?」