僕は限られた層だけに自分の作品を見てもらいたいわけではありません。コンテンポラリーダンスが好きな人に見てもらえるのはもちろん嬉しいことですが、その方々だけでなく、音楽を聴きに行く人や、ファッションやデザインに興味がある人にも見にきてほしくて、何か一つだけに絞られていない攻めすぎていない層というか、領域横断的に色々なカルチャーに敏感な同年代くらいの人たちにも見てもらいたいんです。一般的に、コンテンポラリーダンスよりもビジュアルアートの方が見てもらえる機会というのは当然多いと思います。それはギャラリーや美術館など、場所そのものが進化してきたというのがあると思うんです。でも劇場というのは昔からあまり変わっていないように思えて、もう少し劇場に来る、パフォーマンスを見る、という行為が手軽なもの、来てもらいやすいものにしたくて、今回はみんながくることができる「パーティー」を劇場で展開します。もともとは男女問わず一緒に踊り始めるときの駆け引き、ノンバーバルコミュニケーションに興味があって、そこからフォーマットとして劇場の新しい形も模索していきたいと思っています。