そして、顔を近づけてくると、至近距離から憐れむような眼で見られた。「ほんっと、お前みたいなやつってどんな組織にでもいるんだよな。上に取り入って、実力もないのに、上手く取り立てられる奴って。シリル団長の靴でも舐めたのか? そんで、魔物騎士団に遊びに行きたいって我儘でも言って、それが通ったのか? はは、は、お前にしたらよくやったつもりなんだろう。死にぞこないの従魔を手に入れたから、ラッキーチャンスとばかりに魔物騎士団にきて、価値を上げようと思った? お前って、心底、下種なのな」一瞬、言われたことがよく分からなくて瞬きをしてみたけれど、ぎらぎらした目で見返されただけだった。……あれえ?これ、間違えたのかしら。本来なら、ギディオン副団長は、私の従魔にスゴイモノを想像して恐れおののいている予定だったんだけど、どう見ても、恐れてもおののいてもない。というか、怒っている。……シ、シリル団長、ごめんなさい。素晴らしい策を授けてもらったのに、上手く生かせませんでした。というか、私の態度が悪くて、怒らせてしまいました。結果、思わせぶりな態度、失敗です!がくりとうなだれていると、廊下の向こう側から足早に誰かが近付いてきた。「副団長!」緊迫した雰囲気で声を掛けてきたのは、パティ副団長補佐だった。「大変です! 『星降の森』にかの黒き王が現れたとの情報が入りました!!」「なにぃ?! そんな馬鹿な!!」ギディオン副団長は、先ほどまでの表情を吹き飛ばし、驚愕して叫んでいる。……星降の森?さっき、ザビリアを迎えにいった所じゃないか。何か、起こったのかしら?