目に止まったのは、世界ご当地カレー15種類セットで4000円。 世界ご当地って書いてはあるが、普通のビーフカレーや、チキンカレーもある。「これにしよう、ポチっとな」 ベッドの上に、インスタントカレーの箱が15個落ちてきた。 銀色のパウチを箱から出して、アネモネに温めてもらう。「温め(ウォーム)!」 洗い物も出来ないので、紙皿で食おう。 ちょうど紙のカレー皿が売っている。50枚で1200円だ。「よし!」 ああ、スプーンも買わないとな。使い捨てスプーンの定番といえばプラスプーンだが、シャングリ・ラを見ると、木製のものも売っている。 プラ製品は環境に悪いとかなんとか言われていたが、こういうものも売っているのか。 100本で1000円と安い。「最後に飯だな」 パックご飯を買う。アネモネが1つ、俺が2つ、リリスが3つの合計6個だな。 シャングリ・ラで購入すると、パックご飯が落ちてくる。「アネモネ、コレも温めを頼む」「うん」 アネモネが温めをしていると、リリスが紙皿を眺めている。「なんと、紙の皿とは……」「これは使い捨てなんだよ」「な、なんだと! 紙を使い捨て!?」 まぁ、この世界で紙って結構高価だからなぁ。リリスの反応も当然と言える。 それぞれの紙皿にご飯を盛って、その上からカレーをかけて食う。 いつもと違い、あまりとろみのない黄色っぽいカレーだ。「おおっ! これは、いつも食べているものと風味が違うの! 香辛料の香りが鮮烈じゃ!」「うん! これも美味しいね」 俺も一口食べてみる。 いつも作っているカレーは、マイルドな味なのだが、これは香辛料の香りが明確に自己主張しているな。 東京にいたときに、スリランカカレーの店に何軒か入ったが、こんな味だったな。 リリスのご飯はパック3つ分の大盛りなので、途中でルーがなくなってしまった。 新しいルーをかけてやる。「ふぉ! これはまた違う味じゃの! なんという奥の深い料理よのぉ!」 俺たちの食事を見ていた、ニャメナがそろりとやってきた。「あの……旦那ぁ……」「解った、お前達も食べたいんだろ?」 紙皿にカレーを盛ってやる。パックにはマレーシアカレーとか、インドネシアカレーって書いてあるんだが、どんな味なのか? カレーの入った紙皿を受け取ったニャメナが、ネコ缶の中にカレーを入れた。