「魔石があったらどうする? それも換金か?」「それじゃ魔石と肉を、こちらにくれ」 とりあえず、なんだか解らんが魔石というのが欲しいので、貰う事にした。 魔導書に入ってたような物が、魔物の中に入っているのか。「はいよ~。じゃあ早速やるか。これだけの大物じゃ高く売れるだろうし、処理が遅れて傷めたら、どやされちまう」「頼むよ」「急ぎでやるんで、夕方には出来るぞ」「解った」 夕方に出来るのは解ったが、朝一でやって来たから、昼にもまだ時間がある。 こりゃ、一度家に帰ってから、夕方にまた顔を出すか。6時間も7時間も待ってられないからな。 ------◇◇◇------ 一度、家に戻り、午後の4時頃、再び街を訪れた。 ギルドからの引取が遅くなったら街へ泊まるかもしれないと、アネモネとミャレーには言ってある。 夕飯の準備も済ませてきたし、朝の分のパンやインスタントスープも置いてきた。 作り方は教えてあるので心配ない。 だが、ギルドへ顔を出すと出来上がっていると言う。「それじゃ金が金貨3枚(60万円)と、銀貨1枚(5万円)だ。それと、魔石だな」 男がくれたのは黒い石。滑らかでツルツルしている。「魔導師を雇った分は?」「ちゃんと引いてあるぜ」「そうか、ありがとうな」「また、大物を頼むぜ」 こいつの給料は基本給+従量制らしい。つまり大物が多いと、もらえる給金が増える寸法だ。 ギルドを出て通りを歩き家路を急ぐ。すぐに辺りが暗くなってしまう。 だが、いきなり後ろから腕を掴まれた。