購入個数に100と入れてボタンを押すと、ガラガラと空中から鉄の四角い缶が100個降ってきて、山積みになる。 ちゃんと100降ってきたな。品切れとかあるのかな? 途中で品切れになったら、1L入りのを400個買う羽目になるな……それはちょっと勘弁してもらいたい。 もっと、大きな重機も購入出来そうなのだが、絶対に燃料の用意で詰むなこりゃ。 それから、120L入る青いポリの浴槽が4つだ。「ポチッとな」 デカいポリ製の浴槽が4つ落ちてきた。これに足すことの、白灯油に混ぜてディーゼル燃料にするための改質剤と、2ストオイルが少々――まったく大変すぎるぜ。「え~と、君たちの大事な任務は、この鉄缶の中に入っている油を、この青い容れ物の中へ開けてくれ」「この蓋を開けて、全部流し込めばいいのかい?」「そうだ。数は沢山あるけど、手分けすれば簡単だろ?」「ケンイチ殿、その大量の油が、この召喚獣の食料なのか?」「その通りでございます」「むう……油代で破産するの……」 しかも、ここら辺で灯油として使われている海獣油では、重機の燃料としては使えないし値段も高い。 燃料の用意を皆に頼み、ついでにテーブルや食材もアイテムBOXから取り出し準備をする。 パンやスープなど、彼女達に用意してもらう物を、それぞれに任せる。 アネモネはパン、プリムラはスープ作りの達人だ。獣人達には獲物を用意してもらえばいい。 俺が、重機に乗り込もうとすると、草むらの中からベルがやって来た。「よしよし……森の中は大丈夫だったか?」 ベルの顎下を撫でていると、黒い毛皮の獣人が話しかけてきた。「魔導師の旦那、その森猫は旦那の使いなんで?」「ああ、そうだ。俺の彼女だからな、手を出したりするんじゃないぞ?」「そ、そんな、森猫様に手を出すなんて滅相もねぇ」 俺の隣に凛としたポーズで座っている森猫の前に、獣人達が並んで座りはじめた。 そして、次々と礼をしてから作業へ戻っていく。「森猫が、猫人達にとって神の使いってのは本当なんだな」「そりゃそうだよ、旦那」 さて、俺も作業に取り掛かるか。