長年生きてみてわかったのですが、世の中には「自分より年上の人の方が得意」というタイプと、「自分より
年下の人の方が得意」というタイプがいるのです。子供の頃から「小さい子が好き」という子は、すなわち「自
分よりも年下が好き」なタイプ。確かに彼女達は、クラスの中でも姉御肌だったりおふくろ肌だったりしたも
の。同い年集団の中でも、あえて自分が年上キャラと化し、「年下キャラの子達の面倒をみる」という役割を
買って出ていましたっけ。
そして私は、自分より年上が得意なのです。可愛く言うなら「甘えん坊」ですが、シビアに言うなら「他者へ
の依存欲求が強い自分好き」。末っ子すなわち家族の中で常に最年少という立場のせいもあってか、どうや
って年下を扱っていいのかも、わかりませんでした。
小さい頃に子供好きだった人は、長じて後も子供好きでした。高校生くらいの頃から「子供は最低三人産
みたい」などと言っていたのであり、私はその発言に対しても「意味がわからない……」と思っていたもの。高
校生といえば我が世の春、これからアメイジングな青春時代を楽しめるというのに「子供は三人」って何なん
だ、と。
子供に対して、このようにちょっとした苦手意識を持ちつつ大人になった私は、友人達が子供を産むように
なって、ハタと困りました。友人達が産んだ子供を、どう扱っていいかわからなかったのです。
まだ赤ちゃんのうちは、色々な部位をしげしげと眺めたり触ったり、ひたすら「可愛い」と言い続けることで
誤魔化せました。が、言葉を理解する年頃になると、如実にこちら側の「子供扱いテク」の無さが目立ってし
まう。