そう悟った。だが、「……ハハッ!」フレアは楽しげに笑い、「了解しました。騎士団長」シャロンは深々と礼を取った。「あー……なるほど、コレですか」ハレンは頭を掻いて、「貴女の魂はまだ、朽ちてはいなかったのですね」ステアは微笑んだ。そして、「わかりました。騎士団長。リーベルラント軍式決闘。正式な決闘により対立する両者を強制的に和解させる儀式。負けた方はどんなに辛くても、嫌でも、何が何でも勝者の言う事を聞く! そう言う事なら……受けて立ちます!」セナもまた、満面の笑みで頷いた。血気盛んな騎士団の中、喧嘩は日常茶飯事であり、上層部は部下達の争いごとに頭を抱えていた。そんな時、他ならぬセリスが制定したこの儀式。全力でぶつかり合って、和解する。それがどんな嫌な事でも、辛い事でも、決闘で負けた側は相手の言い分を聞く。決闘の合意は両者が向かい合い、目と目を睨み合った時から始まり、武器を取る事で決定される。五人が言い、それぞれの得物を構える。それに対し、「ちが、わたしは……そんな。ちがう……うらぎ……そこくを……ぶかたちを……」未だ精神を崩壊させたまま、涎塗れの言葉を吐きながら、軍神セリスは、決闘の儀式に則り、刃を顔の前に立て、目礼を取った。