「ちわ~、魔道書は出来上がってるかい?」「あら~、旦那。今日の朝取ってきたところだよ」 店主の女から魔道書をもらう。身体をすり寄せたり、腕を組んできたりして――はっきり言ってうざい。 早々に立ち去る事にしよう。もうちょっと若けりゃ俺の食指も動くんだが……。「お待たせ~」「ここは道具屋だろ? 何を買ってきたんだ?」「魔道書だよ。名義の変更をしてもらっていた」「王国は魔導師でも商売が出来るからいいよなぁ」「そうそう、レイランさんが店を開いたら、男共が押し寄せるぞ、はは」「店をやりたいとは思っているのですが……それはちょっと嫌ですねぇ」 しかし、これ以上ない客寄せになりそうなのだが……。 続いて俺は、ドワーフの店に寄った。あの巨大な剣を受け取るためである。「鍛冶屋か?」「ここはドワーフの店だぞ。品揃えも中々良い――高いけどな」「面白そうだ。俺も降りるぞ」「鍛冶屋なら、私も拝見したい!」 奥から女騎士の声がする。それじゃ、皆で見学って事になった。 皆が車から降りたので、一旦アイテムBOXへ収納。揃ってドワーフの店へ入った。 店の上に飾ってあった、巨大な剣は既にない。「ちわ~、親方いる? 店に飾ってあった巨大な剣をもらいに来たって伝えてくれ」「あ! はい! ただいま!」 店員が奥に駆けて消えていく。「おおっ! これは業物だぞ!」 女騎士が、壁に飾っている商品の剣に興奮している。彼女の視線の先にあるのは長い金の鍔がついた上品そうな剣。「おまぇなぁ――稼ぎもないのに、俺に買わせるつもりか?」 アキラ達は、逃げまわっている間には仕事はしていなかったようだ。 まぁ有名人だしな。だが、この世界には新聞も通信手段もなく、あるのは人の噂だけ。 本人が竜殺しだと名乗らなければ、バレる事もない。「別に、お前に買えとは言ってない……だろ……」「にゃー! アキラ、ウチはこの短剣がいいにゃ!」「よしよし、ミャアには買ってやるからな」「……」