中村が倒れたという連絡を受けて、理愛は学生寮へと向った。到着するやいなや、部屋までは小走りになっていた。ドアをノックすると中から声がしたので、そっと開けてみた。
中村「やあ、理愛さん。来て早々、申し訳ないねえ」
パジャマ姿のままで迎えてくれた中村の顔を見て、理愛は少し気持ちが落ち着いた。
理愛「寝てなきゃダメですよ」
中村を諭すように言った。
中村「朝、起きたら全身が鉛のように重くてねえ。これは疲れがたまっているんだと思ったよ。
でも大したことはないから」
理愛「東京からこちらに来るまでに忙しい毎日だったんでしょ。休養する暇もなかったからよ」
そう言いながら、バッグを横に置いて上着を脱いで膝の上にたたんだ。