「ほらほら、段々俺が信用出来なくなってきただろ? 帰るならいまのうちだぞ?」 ちょっと強引にプリムラを抱き寄せて口づけをする。 彼女も嫌がる風でもなしに、それを受け入れているのだが――。「帰りません……」 彼女のその言葉を聞きながら、腰から尻へと撫なでて太腿の辺りで止めた。「旦那ぁ――そういう事を目の前でやるのは勘弁してくれませんかねぇ、俺には目の毒だ」「なんだ、良い女なのに相手がいないのか?」「は! くだらん男なんて、こっちから願い下げだねぇ」「ケンイチ~!」「にゃ~!」 家から、アネモネとミャレーがやって来たので、家に戻る事にした。 夕飯の後、皆で風呂に入る事に。また、アネモネの魔法の出番だ。「だが、待てよ……」 道具屋の爺さんが、アルミを触媒にして魔法の出力を上げられると話していたな。 実際に使ってみて、威力も上がったらしいし……。 試しにアネモネにも使わせてみるか。 俺は、シャングリ・ラからアルミ板を購入して、彼女に手渡してみた。「アネモネ、この金属を握って魔法を使ってみな」「これ?」「この金属があると、魔法の威力が上がるらしい」「ああ、道具屋の爺さんもそんな事を言ってたにゃ」 耳の良いミャレーは、俺達の会話を聞いていたようだ。「うん、やってみる!」 2つ並べたドラム缶風呂に水を入れて、その前にアネモネが立つと精神を集中し始めた。 追加したドラム缶風呂の方にも簡単な上り台を付けてあるが、それを外して彼女の魔法に備える。 アネモネの精神集中に呼応するかのように、空中から煌きらめく青い光が生まれて集まっていく。『む~! 憤怒の炎ファイヤーボール!』 顕現した火炎は巨大な炎の柱と化して、ドラム缶を包み込んだ。