「折角、今すぐ教えてくれる人がいるのだから、有り難く受けようと思うよ、受付さん。……ドミニクさんも、今回はよろしく頼む」 そういうと、カティアの後ろでこちらを見ていたドミニクは、首を振って嬉しそうに微笑んだ。「ああ、こちらこそ期待の新人と話せて有り難いぜ、オーティスさん。いきなりCランクの人に教えるのは、Eランクのオレじゃあ力不足かもしれんし、断られるかもって思ってたけど……知識だけは、多少、教えられるから、講習を受けてくれるっていうなら、全力でやらせてもらうぜ、オーティスさん。どうかよろしくお願いするよ」 そして俺とドミニクは握手を交わす。こうして俺はギルドからの餞別として、精霊術士としての知識を受け取る事になったのだった。