翌朝目が覚めたら、ブライト少年はいつもの素敵な笑顔を振りまいていた。 チャッピーはギリギリまで寝てたが、レオンに羽をむしられて飛び起きたようだ。 ポチは未だに寝てる。 不自然なまでに膨らんだお腹を突くと、「あふぅん」という名言を零す。 それを真似してチャッピーが突くと、痛みで飛び起きた。 良い感じで刺さってたからな。回復魔法は自分でかけてたし問題はないだろう。 出発の支度と食事を終え、レジアータの東門からカラム山脈を見上げる。「あれが、カラム山脈ですか」「チャッピーが巨大化出来ればすぐ超えられるんだろうが、どうにも身体変化は苦手みたいだしな」 俺はそう言いながらチャッピーを見る。「問題ありません父上、あと二百年程いただければ体得してみせましょう!」「長すぎて無理だわ」「そんなに待てませんねっ!」 苦笑しながら答えた俺とポチ。 俺は、とほほと項垂れるチャッピーの首をひと撫でし、巨大化したポチに跨った。 目指すはトウエッド。カラム山脈に入りポチの脚で三日という距離だが、チャッピーの事も考えると、五日は必要だろう。 レオンは勿論、ブライト少年がいる事を考えなくちゃいけないし、ここからは厳しい道になるかもしれない。 そういえばあの二人も、俺とポチをブルネアまで護衛してた時、大変そうではあったな。 これも勉強か。 何にせよ、目指せトウエッドだ。