「ヤーシスは試してないのか?」「うちは妻も私も淡白なもので。子供も成長していますしあとは普通の幸せがあればそれでいいのです」試してもない薬を俺に譲るのか……。危険は、ないよな?あとヤーシス。お前の普通の幸せってどんななのか俺は凄く気になるぞ。「シロ。これでお客様が小さい方には反応しない方だとしても安心です」「ヤーシスよくやった!」「喜んでいただけたようで安心しました」「まあ、貰ってはおくが使うかどうかは別だぞ……」「ええ。構いませんとも。ですがくれぐれも私から受け取ったことと、貴方が持っていることを広めないでくださいね?」「ああ、わかった」更に念を押してくるとは、これは本当に危ないんだな……。魔法空間から出さないようにしておこう。「そうだ。朝食食べていくか?」「いえ、今日は妻の愛情が詰まった朝食を食べましたので」「そうか。じゃあアイナ達が帰ってきたら引っ越し記念の食事会をする予定なんだがどうだ?」「予定が合えば是非参加させていただきます」「じゃあその時に。予定が合うことを願ってるよ」「はい。その時はよろしくお願いいたします」それだけ言うとヤーシスは帰っていった。わざわざ忙しい中俺の為に引っ越し祝いを届けにきてくれたんだと思うと、たとえ持っているだけで危険な物でも嬉しいもんだ。「主、シロのときは使っていいからね?」「いやいやいや。普通に怖くて使えないからね……」「わ、私のときも構いませんから!」「ウェンディも張り合わなくていいから……」「シロだけ。ウェンディは年が……」「そこまで違いません! まだ私だって若いです!」「シロと比べれば年m……」「あーそういうこと言いますか。ではシロはお昼ご飯は無しですね!」「そういうのはずるい。でもお財布は主が握っている。主にご飯頼むからいい」「でもでも私とご主人様は同じご飯で、シロだけ屋台のご飯ってことですね。私とご主人様はおそろいですけど!」「むう。ウェンディ性格悪い」「悪くないです。シロよりも悪くないです」