さっきは思わずその場で魔法を使ってしまいそうになったけれど、別に堂々と私が魔法を使っていることをアピールしなくてもいい。 それに、堂々と魔法使いじゃないはずの私が、魔法のような奇跡を使ったら、それこそコウお母さんが言っていたようにみんな、混乱する。 平民でも、魔法が使える可能性に……。 実際、呪文を唱えることができるようになれば、平民でも魔法が使えるとは思うけれど、何も準備なしに知らせれば大混乱だ。 そう考えると、ルビーフォルンには、ちょうどいい存在がいる。 魔物の恐怖に怯える人たちに希望を灯すことができて、私の隠れ蓑になってくれて、魔法のような奇跡起こしても納得できちゃう存在が、ルビーフォルンにはいる。