「あ、あの……。すいません、わたし、きぶん悪くて……」
「へ?」
「あの、何かふくろとか、ないですか……?」
「え、あ……」
何と、少女の方から俺に話しかけてきた。
パンツ程度で一喜一憂していた俺にとっては、あまりに突然の出来事。
「だ、大丈夫? 背中とか、さすろうか?」
「ありがとう……」
少しだけにこっと笑った少女の顔が、真っ青になっている事に今更気付く。
子供だから何も考えないで地べたに座っていたのかと思いきや、気分が悪かった
のか……。
「大丈夫? まだ吐き気する?」
「うん……。ちょっと、やばい……」
全く無警戒に俺に体を預ける少女に、俺の中で狂った思考が芽生えた。
丁度、次は俺が降りる駅……。
「じゃあ、一回、次の駅で降りようか……」
「うん……」