「「「おおっ!」」」「この魔道具で、この鉄板を切ってやるから」「そ、そんな事が出来るのか?」「まぁ、見てろ」 青い光を出したまま、排土板に当てる――盛大にオレンジ色の火花を散らして、向こう側へ貫通した。 もう本当に火花が滝のように出る。吹き出し花火の全開シーンのよう。「「「うあぁ! なんじゃこりゃ?!」」」「にゃー!」「こりゃすげぇ!」 周りは騒いでいるが、十分に使える。そのままプラズマのノズルを下へずらしていくと、それを追うように火花が吹き出す。「よっしゃ、いけるぞ」 そのままゆっくりと――10分程で排土板から細長い鋼鉄の塊を切り出した。「ほら、これなら炉に入るだろ?」 俺はドワーフ達に、短冊形の鋼板を差し出した。「おおっ! 親方、こりゃいけるぜ?」「この調子で、この鋼鉄の塊を全部細長く切ってやる」「ありがてぇ!」「上手くいったら、あの剣を売ってくれよな」「もちろんだ! おう! 野郎ども! 早速、仕事に掛かりやがれ!」「「「おう!」」」 声がデカい! それに怖い。「旦那! そんな鉄の塊が簡単に切れちまうなんて、もしかして人間も切れるのかい?」「いや、これは鉄しか切れない」 要は電流を流して、プラズマを発生させているので、電流が流れないものではプラズマアークが発生しない。 だが、プレートアーマーにアースして、プラズマを当てれば裏側に貫通するだろうから――数万度の超高温のプラズマで、切れなくても火傷は間違いないだろうと思う。 勿論もちろん、ピッタリと密着しないとダメだし、当然武器としては使えない。「だが、もしかして、ドラゴンの鱗は貫通出来るかも……」 薄い鉄板を買って、レッサードラゴンの鱗をサンドイッチにする。 そして、アース線をつないで、ノズルのトリガーを引く。 凄まじい火花と共に、鉄板ごとドラゴンの鱗を青い光が貫通した。 そりゃ、青いトーチの温度は数万度だからな。例えばこれがセラミックだって穴が開くだろう。「ええっ? レッサードラゴンの鱗を貫通したのかい、旦那!?」「ああ、みたいだな。だが、こいつを武器にするのはちょっと難しいぞ?」「なんてこったい! こいつはたまげたな……」 ドワーフ達も驚く、プラズマの威力――だが、そんなことより作業を続けなくては。