「そうか、そうであるな……」 皆で食事を食べながらワイワイしてやっているので、周りにいる人夫達も気になっているようだなのだが、子爵夫人がいるのでは覗くに覗けないでいるらしい。 さて食事も終わったし、あとは風呂だな。1日中、車と重機の運転をしていたので疲れた。 だが貴族様もいるし、人夫達が周りでキャンプしている道路際でドラム缶風呂を沸かすのもなぁ……。「う~ん……」 少々悩んだが、ツリーハウスに使っていた小屋をアイテムBOXから取り出して、こいつの中に風呂を入れる事にした。 それなら外からは見えないだろうし、ゆっくりと出来るだろう。 今まで、風呂のお湯は焚き火やアネモネの憤怒の炎ファイヤーボールで沸かしたりしていたのだが、彼女が生活魔法を覚えた事で、もっと簡単に沸かせるようになったのだ。 さて貴族様の風呂がドラム缶風呂じゃ拙まずいだろう。シャングリ・ラを検索して、FRP製の白い風呂を見つけた。 楕円をしたお椀型で猫の脚のような金色の足がついており、洋画で美女が泡風呂に使ってそうなやつだ。 1台10万円ぐらいだな。似たような形で数百万円する物もあるのだが、こっちは本物の陶器製かもしれない。 だが軽くて丈夫だし、FRP製で十分だろう――こいつを2つ購入して小屋の中に並べれば良い。 ここで最近発見した裏技を使う。 アイテムBOXの中には、川の水が入ったプラ製の大型容器が多数収納されている。 先程、購入したFRP製の浴槽をアイテムBOXへ入れ――プラ製の容器から水を選択して、そこへドラッグアンドドロップする。 そして、その浴槽をアイテムBOXから取り出すと――。 水で満たされている白い浴槽が目の前に出てくるって寸法だ。 川や湖から水だけを選択してアイテムBOXへはいられないが、このようにすれば水の移動も出来るってわけ。 当然、このまま水を選択して、ゴミ箱へも捨てられる。 ガソリンランタンを吊るした小屋の中に、水がたっぷりと入った、白い浴槽が2つ並べられた。 小屋から出てアネモネを呼ぶ。