三原さんに促されて最初は元気よく走ったが、門を出てしばらくすると、すぐにバテた。肺が痛くなってきたのだ。
「えっ!麗華お嬢様、どうしました?!」
「…苦しいです」
「まだ500メートルも走っていませんよ?!」
そんなの知りません。もっとペースを落とさないと3キロも走れないと思います。
私のひ弱な根性を、熱血体育会系の三原さんは許してはくれなかった。
「麗華お嬢様!それじゃあ歩くよりも遅いですよ?!しっかり!」
ムリです。苦しいです。もうギブアップです…。
1キロも走っていないうちから、私の呼吸はゼイゼイいいだした。上半身が前に傾き、手が犬かきのように空気を掻く。気管支が…気管支が、ヒリヒリする…。口の中に血の味が…。