「私も~!」「妾もじゃ!」「はいはい……それじゃ寝るとするか」「その前に! ケンイチ、そなた――妾にいつ手をだすのじゃ?」「え、え~と、そのうち……」「そなた! やる気があるのかぇ?」「まぁ、あるよ。だから、そのうちな」 リリスの頭をナデナデしながら、寝転がると――俺の腹の上に、ベルが載ってきた。「お母さん、重いんだけど……」「にゃー」 俺の言葉を無視するように、彼女が喉を鳴らしている。「気のせいか――森猫より妾の優先順位が低いような気がするのじゃが……」 リリスの愚痴は放置。「わーい!」 アネモネが、俺に載ってるベルの背中に載った。「ぐえぇ、ちょっと重いから」 用が終わったのか、マイレンが出て行こうとするので、呼び止めた。「マイレンはどうするんだ?」「外に控えております」「ええ? ここはお城の中だからいいけど、荒野で野宿する時はどうする?」「もちろん、同様に……」 彼女はそう言ってるが、そうもいくまい。何か考えないとな。「俺たちと一緒に寝てもいいんだぞ?」「そうはまいりません……」 王女との、いけないお仕置き遊びも見てしまったし、いまさら恥ずかしがることもないと思うんだが……そうじゃないのか? とりあえず母屋の隣に設置した小屋に、ベッドを出してメイドの控室にした。 双方に、シャングリ・ラで買った乾電池式のワイヤレスインターホンを設置。 マイレンにも使い方を教えて、これを使ってもらう。 インターホンはボタンが1個ついている白い板で、上にマイク兼スピーカーがついている――親子機セットで8000円だ。「リリス、メイドに用がある時は、このボタンを押して話しかけるんだ」「これじゃな! マイレン! 聞こえるかぇ?」『はい、聞こえます。姫様』「これは便利な魔道具じゃの! そなたが、妾たちを乗せた召喚獣で使っていたものと似たようなものか?」「これはずっと単純で、隣の部屋との間でしか使えないけどな」「う~む……」 リリスが、腕を組んでなにかを考えている。 もしかして、なにか良からぬことかもしれないので、聞かないでおく。 ダブルベッドで3人と1匹で寝る。アマランサスは一人でダブルベッドだ。 別に無理して、一人で寝ることもないと思うのだが、どうしても奴隷契約を外さない。 そのうち飽きるかもしれないので、そのままにすることにした。