「にゃはは! ケンイチ、それはなんにゃ?」「これは、水の中でつけるメガネだよ」「旦那、俺たちにも使えるのかい?」「多分大丈夫だと思うが……」 彼女たちには毛が生えているから、気密性はどうかな? 付け方が解らないだろうから、つけてやる。「こうやって、水に浸けてみろ」 俺は、水面に顔を浸けてみせた。「にゃ! すごいにゃ! よく見えるにゃ!」「これなら、目が痛くならないぜ!」「そして、この筒を口に咥えて呼吸をする」 俺の手本を真似て、彼女たちもシュノーケルを咥えてみる。 管虫を見たときには、かなりパニクっていたが、もう大丈夫のようだ。「これはすごいにゃ! 泳いだまま息ができるにゃ!」「これなら、顔を水面につけたまま、ずっと泳げるな!」「でも、水に潜ると筒に水が入ってくるから、水面に上がるときは、筒から水を噴き出す」 シュノーケルから水を噴き出して見せると、彼女たちも真似をする。 獣人たちは読み書きそろばんができないが、頭が悪いわけではない。 手本を見せてやると、すぐに理解して真似をする。 獣人たちが楽しそうに泳いでいるのだが、前から気になることがある。「獣人たちが泳いで、そのデカい耳に水が入ったりしないのか?」「入るけど、すぐに取れるにゃ」「そうなのか?」「こう、やるにゃ」 獣人たちは頭を下にして、ぴょんぴょん跳ねている。 猫ってのは水が嫌いなんだけど、猫人たちは平気だな。 そういうことをいうと、猫じゃないにゃ! ――と怒られるが。 ついでに1万円ぐらいの脚につける足ひれフィンを買う。 安いのは脚にはめるだけだが、これは靴のように穿くタイプだ。「旦那! それはなんだい?」「これは足ひれだよ。水中を魚のように泳げる」「本当にゃ!?」 意外なところに獣人たちが食いついたので、彼女たちにも足ひれを買ってやる。 毛が生えている彼女たちの脚でも、装着できた。「歩きにくいにゃ……」「地上ではそうだけど、水の中では動きが早くなるぞ」 俺の言葉を聞いたニャメナが、さっそく水の中に飛び込んだ。「おお~っ! 旦那! これはマジですげぇよ! 船は要らないぞ!」 なんだか、とんでもないスピードで泳ぎ始めた。 シュノーケルも使いこなしているし、身体を使う能力に関しては、獣人たちの右にでる種族はいないだろう。