佳世が発狂したかのような叫び声をあげると同時に、俺の手元の証拠を奪うべくとびかかってくる。 なめんなよ、俺は闘牛士スキルマスターだ。 ひらりとかわすと、佳世は前のめりに倒れ、嗚咽を上げながら起き上がろうともしない。あ、痙攣してる痙攣してる。 そしてまわりを見直すと。あ、呆然としてる呆然としてる。 特に佳之さんと菜摘さん、あんどウチのクソオヤジがヤヴァイ。こんな表情、十六年の人生の中で初めて見たわ。『だから、お願い。もうよそ見しないっていう誓いとして、祐介に、抱かれたいの。抱いて、ください』『ムリ。病気怖いし。というか、何もかもムリ』 そのあと、録音した音声とリアルタイムでの音声で、佳世の号泣がハモった。 公開処刑、完了ミッションコンプリート。