ふーふーと温かい吐息が触れてくる。 絹のような手触りが心地よくて、指のあいだを抜けてゆくのをなかなか止められない。なんだか不思議な誘いかけだったけど、撫でていいと言ってくれたのだから遠慮はしないで構わないか。 ふわんと漂う女の子の香りに包まれていると、マリーの瞳がこちらを向いた。「わ、分かったわ。分かりました!」 ぷあっと息継ぎをするように少女は身を離した。そして顔を赤くしたまま不思議なことを口にする。「そ、そんなにおかしいことではなかったわ。撫でて赤くなることだってあるみたい。どうやらもうひとつ勉強になってしまったようね」 やや早口でそう言われて、ぱちくりまばたきをする。 なぜか不機嫌そうに唇をとがらせながら見上げてくるマリーに、ふっと僕も笑う