ステータス鑑定の石板を使い俺達のステータスを読み取ると、転写機みたいなもので冒険者ギルドカードに書き写す。 俺達は冒険者ギルドのギルドカードを貰った。 名刺サイズより二回りぐらい大きい感じのカード。 材質が何か解らないがプラスチックみたいに耐久性が有る感じなので多少雑に扱っても破れたり壊れる事はなさそうだ。 ランクはFのギルドカードだった。 ギルドカードを貰うのは初めてなのでなんか嬉しい。 今まではどこに行っても俺の顔が身分証明書みたいなもんだったもんな。 一般冒険者として過ごす異世界は凄く新鮮でいいわ。 でも、ギルドカードを見た石川が騒ぎ始める。 ギルドカードに書かれているランクがFだったのが気に入らないらしい。 カウンターのお姉さんに物凄い剣幕で食って掛かる石川。 トラブルメーカーに絡まれるお姉さん、マジ可哀想。「なんで私達はDランク勇者なのに、Fランク冒険者なのよ! 無能な商人の高山がFランクなのは理解出来るわ。でも、なんで優秀な僧侶のわたしが2ランクも落ちて高山と同じFランクなのよ! 頭おかしいんじゃないの? ウジ湧いてるんじゃないの? こんなランクじゃ美味しい依頼できないから、いつまで経っても美味しい物食べられないじゃない!」 美味い物食いたさに欲の権化となる石川。 見てられなくなって思わず助け舟を出した。 石川にじゃなく、お姉さんになんだが。「おい何やってるんだよ! 頭おかしいのはお前だよ! 勇者ランクと冒険者ランクじゃ、そもそもランクの名前が『勇者』と『冒険者』で明らかに違うだろ! そんな事も解らないのかよ!」