生活スタイルが全く違う2人との生活はやはり窮屈なうえ、水絵の感覚はどこか鈴音とは異なったものであり、新品の歯ブラシを渡すと使用済みのものを返却する、バスタブのお湯を抜くと「もったいない」と非難するなど、鈴音は不快さを感じずに入られなかった。渋谷のマザーズハローワークでは耕太とはぐれ、就活には不可欠なはずの携帯ですら充電切れで繋がらないなど、水絵の意識の低さにイライラを募らせていた鈴音だったが、ひどい頭痛で自宅で寝ていた時にかけられた水絵の「いたの?」という言葉に不満を爆発させる。しかし水絵は鈴音が自分と違って恵まれた環境にいることを理由にあと1週間泊めてほしいと言い始め、断ろうとすると「じゃあ結婚しなかったらよかったの?耕太を産まなければよかったの?」と激昂する。そばでそれを聞いている耕太の心情、そして耕太が高熱を出してしまったこともあり、鈴音は1週間の延長を承諾せざるをえなくなってしまう。
この先どうするべきかと考えあぐねていた頃、高校時代の友達・中嶋美保子からメールが来る。水絵のことを覚えているか聞いてみると、「大丈夫?あの子って、手癖が悪くて有名だったじゃない」と、昔水絵がクラスメイトの財布を盗んだと騒ぎになったことを思い起こされる。しかし今もそうとは限らないと思い、自宅に防犯カメラを設置すればいいという友人・米澤茉莉花の案にも躊躇していた鈴音だったが、耕太を押し付けて面接と美容院に行ったにも関わらず鈴音の子守の仕方を責め立てたり、鈴音の仕事場と同じマンションに住む灘が紹介してくれた就職話をなんだかんだとケチをつけて話を進めない相変わらずな振る舞いを続ける水絵と再度ぶつかりあった末、ついに水絵は耕太を残して音信不通になってしまう。
1週間は待ってみようと思った鈴音だったが、耕太が家を飛び出して警察に探してもらわなければならなくなるなど子供1人を預かる責任をリアルに感じ、意を決して水絵の実家に連絡をとり、水絵の姉に事情を話し、水絵の別れた夫・梅森昭彦に耕太を迎えに来てもらうよう話をつける。しかし実際に耕太を引き渡す際、水絵のことばかりを悪く言う梅森の姿や、嫌がる耕太の姿を見て後悔の念が押し寄せる。そして水絵が昔財布を盗んだとクラスメイトに責められていた時、自分が水絵をかばったことがあったことを思い出す。だから水絵は自分を頼ってきたのか?真意はわからないまま、やっと電話が繋がった水絵に「落ち着いたら、また連絡ちょうだい」と言ってみるが、水絵は今までの感謝は伝えつつも「何のために?」と拒否する。
10年後。鈴音のマンションを成長した耕太が訪れる。耕太は昔、水絵が世話になった友人たちの各家で家捜しして様々なものを盗んでは売っていたことを認識しており、鈴音の仕事用マンションにも勝手に入ったことがあると告白する。一度、水絵が作ったカレーを食べた後に18時間も眠りこけ、ひどい頭痛に襲われた時のことだとわかったが、何も盗まれてはいなかった。それを聞いた耕太はホッとした様子を見せ、あれ以来になっていた水絵と会ってみようと思うと話し、帰っていく。