鏑木夫人は楽しげに笑った。その隣では自分の知らない瑞鸞での鏑木の話を知っている私に、舞浜さんが敵意のこもった目を向けていた。はいはい。
そこへスタッフの人が鏑木夫人を呼びに来た。
「今日は私も食事には参加するのよ。その時にまたお話をしたいわ」
「はい。楽しみにしています」
鏑木夫人が去ると、舞浜さんも「雅哉様のお母様にちょっと気に入られたからって、調子に乗らないでよね!」という捨て台詞を吐いて去って行った。
耀美さんは舞浜さんの様子に少し怯えていた。
「…あの、麗華さん大丈夫?ずいぶん睨まれていたけれど…」
「私は全然平気ですわ。なんだか一方的にライバル視されていますの」