アカマターとも表記される蛇の妖怪。漢字表記は赤又。琉球(沖縄)の広い地域の伝承に語り継がれており、若くて美しい青年や美女に化けて、人間を言葉巧みに騙して誘惑し、時には沢山(笊7杯、賭け家具1杯分)の子供を産ませたりする事がある為、女性はアカマタがやって来る畑や山で昼寝をしてはいけないと戒められていたとされている。また、とある若くて美しい1人の娘が偶然出会った美青年に恋をしたが、針に長い糸を付けて男の正体を確かめるとアカマタであり、その後、娘は村の風習で海に入ると蛇の子供を産んだという。その為3月3日の大潮の日に娘たちは海に入るようになったとされている。また、時には人を殺害する事もあるという話も伝わっている。そのほか尻尾で書いた文字で女性を惑わせる話も存在しており、ある人が名護市の東江と城戸との境にあるアナダ橋の袂にある鬱蒼としたガジュマルの大木付近で挙動不審の女性を見つけ、その足元ではアカマタがしきりに尻尾で文字を書いていた。不信に思った男は女性に何をしているのかと尋ねると、女性はここで美青年と待ち合わせをしているのだといってにこにこと笑っている。男はもしやアカマタに誑かされているのではないかと思い、女性を自分の家へと連れて行き、再び1人で先ほどのガジュマルの木まで戻ってくると、アカマタが書いた文字を消した。するとその瞬間、術が解けたのか女は正気に戻ったが、なぜ自分が見ず知らずの男の家にいるのかわからなかったという。