村へ近づくと、1人また1人と女達が降りていく。俺からもらった白いブラウスと紺のスカート、そして麻で出来た袋に毛布と自分の持ち物を入れて。 どの女達も村へトラックを入れる事を拒み、かなり手前で降りて歩いていくのだ。 ひっそりと帰って、ひっそりと暮らしたいのであろう。 女達には餞別として金貨を1枚ずつ渡してやった。 街でも月に銀貨2枚(10万円)もあれば暮らしていけるって話なので、約2ヶ月分の金って事になる。「ありがとうございます」「なぁに、街へ戻れば討伐成功の金が入ってくるんだ。このぐらいはさせてくれ」 ペコリと静かに頭をさげて、また1人女が村へ戻っていく。「本当に――旦那は人が良いんだから」「野盗に酷い目に遭わされたんだ、彼女達にも金をもらう権利が多少はあると思うがな」「そんな話は聞いたことがありませんよ」 アナマの話では被害者の賠償請求みたいな物は、この世界には無いようだ。 村を3つ程回り4人の女が降りて日が暮れた。残り5人だが、明日中には全て回れるだろう。 辺りが暗くなり小川の近くでキャンプをする事になった。 アイテムBOXから、野盗のアジトの畑で採れた野菜を出すと女達がそれをもって小川まで洗いにいく。 たわしは、そこら辺の枯れ草を束ねて縛り自分達で作るようだ。 さすがに手慣れている。 さて、スープは何にしようか。もっと他の料理を出しても良いのだが、手間のかかるのは無理だしな。 醤油が受けないようなので、和食もダメだろうし。麺類もダメ――う~ん、難しい。 そんな感じで、いつものスープとパンになってしまうわけだ。 だが街の人間も普段の食事はスープとパンらしいので、文句も出ていない。 それどころか美味いと好評なのだから。「旦那! 前に食った、とろとろのスープにしてくれ」 獣人達からスープのリクエストがあったのだが、とろとろのスープ? 多分ポタージュの事だろう。 シャングリ・ラで検索してみる。1箱8個入りが300円だ。え~と、冒険者が16人――女が4人いなくなったので16人で、合計36人か。 普通は1食1袋なんだろうが、1人前をタップリと作りたいところだから1人に3袋は使うな。――という事は、109袋、14箱買えば良い。 肉を再び10kg買って、女達が洗ってカットしてくれた野菜と煮る。 火が通ったら、ポタージュのスープの素を109袋入れれば良い。 まぁ言葉で言うのは簡単だが、100袋以上あると大変だ。皆に手伝ってもらう事にした。