「それにしても、お前転移系スキルも持ってんのかー。かなり面倒だな」「お前も使ってるだろ」 嫌気がさしながら俺は言うが、俺の言葉にスカラはよく分からないとばかりに首を傾げた。「何言ってんだ?お前。私は転移なんて出来ないぞ」「.......は?」 当たり前のように言うスカラに、俺は驚きを隠せなかった。 一瞬思考回路が固まったような感じがしたが、直ぐに元に戻る。 え、おい、ちょっと待て......。「あれ、転移じゃないのか?」 「当たり前だろ。普通に動いただけだ」 あれの何が普通なんだろうか。 衝撃過ぎる事実に俺は絶句する。 おいおい、まじかよ......。 正直これは俺にとって衝撃過ぎた。 これまで色々あったお陰で、俺のレベルは上がりに上がっている。 だからこそ、そう簡単には負けないだろうと思っていたのに、まさか視認出来ない奴がいるなんて。 無駄話が過ぎたのか、スカラは徐に片手を上にあげる。