ふうん、と分かったような分からないような返事を僕はした。 とはいえ、いくら親しいとはいえ夢の世界のことは教えられないな。何が起こるか分からないのだし、リスクは出来るだけ避けておきたい。 そういう意味で、ひとまずこの件はおしまいだ。 まだカレンダーを見上げているエルフに気づき、そっと花柄のパジャマに手をかける。そのまま両膝を支え、ひょいと担ぐと大きな瞳には喜色が浮かぶ。「あら、とうとう眠らされてしまうのかしら。まるで夜ふかしを怒られる子供のようね」「僕が言うのも何だけど、寝る子は育つと言うらしいよ、お姫様」 やあ、相変わらず軽いね。抱き心地も良く、少女の手は僕の首へと絡みつく。ぬくい体温は伝わり、ぱたぱたと少女の足は機嫌良さそうに揺れた。 さあどうぞ、とシャーリーへ背中を向けると、青空色の瞳にも喜色は浮かぶ。いつものように肩を掴まれ、ふわんと僕は取り憑かれる