メチャクチャ格好付けて返答すると、ウィンフィルドが嬉しそうに微笑みながら「このこの~」とその身を寄せてきた。あぁ~……スチームに会っといてよかった。「――オッホン」 あっヤベェ、ユカリの咳払いだ。 瞬間、俺たちはどちらからともなくズザザーッと離れた。まだ作戦会議は終わっていないので《送還》されるわけにはいかない。「あー、それで、オルドジョー防衛のために、教皇が出てきたところで、暗殺したいわけなんだけど」「俺が殺るんだろ?」「うん。それが一番、確実。次点で、レンコちゃん。やむを得ない場合は、あんこさん」「あんこはあまり出したくないな。カメル神国の兵士たちには過去に一回ぶちかましてるから、身バレの可能性がでかすぎる。それに奇襲が夜明けなら、教皇が室内にいない限りあんこには無理だ」 陽光に少しでも触れていると、あんこは弱体化する。自分では動くことすらままならなくなるほどに。「んー。じゃあ、レンコちゃん、かな」「その時さぁ、レンコって捕まってるんじゃないの?」「目的は、聖女の奪還、だよね? なら、セカンドさんが、牢屋の番か何かに化けて、レンコちゃんを救出して、彼女に教皇の暗殺を任せて、その間に、聖女を救出すれば、効率良いでしょ?」 なるほど。俺一人で教皇暗殺してレンコとラズベリーベルを奪還してってのは、確かに骨が折れる。教皇の暗殺をレンコに任せちまえば、後はラズベリーベルを救出して離脱するだけ。随分と楽になるな。 あいつも殺りたがっていたし、ひょっとしてこれが一番良い案なんじゃないだろうか。 ただ、一つ心配なのは……。「成功するかぁ?」 些か不安だ。確かにあいつは強いが、力が入り過ぎるあまりに空回っているというか、暴走している気がする。夜中に会った時は、なんだか情緒不安定だったし。「成功率、96%ってところかなー」「うげ、4%もあんのかよ」「えー、4%しか、ないんだけどなー」 俺とウィンフィルドとで感覚の違いが出た。4%で失敗って、まあまあな確率だと思うけどなぁ。 それに、あっちもこっちも人間なんだから、予想外ってもんがある。本人次第で、4%に寄っちまう場合もある。まあ、つまるところ、数字じゃあなんとも言えんわな。「駄目だな、俺が殺る。そうすりゃあ、ナン%だ?」 ぺろっと平らげた後の食器を重ねつつ、作戦会議の締めくくりとばかりに尋ねてみた。 ウィンフィルドは、ニッと笑って、とても楽しそうに言った。「120%~♪」