連合王国ロンディニウムの王立病棟が一角。
そこにあるのは、死期の近い重篤の患者が最後を迎える病棟。
「…結局のところ、デグレチャフというのはなんだったのか、お教えてはもらえないだろうか。わが友よ。」
医療機器がびっしりと並んだ病室で口を開いた男も、死の一歩手前で気力だけで踏みとどまっているような状態だった。
最新の医療技術や、最先端の医療機器を用いてもなお克服しえない生物としての限界。
寿命だ。
そして、それは今にも尽きようとしていた。
「そこまで、迫ったのだ。…友よ、君ならば想像はつくのではないのかね?」