「アズールさーん! おかえりなさーい!」 私は甘い声で、ルビーフォルン商会に帰ってきたアズールさんを出迎えた。 ささ、どうぞどうぞ、と商会の客間にアズールさんをお迎えし、大きなソファに座ってもらうようにエスコートする。 可愛い花柄の薄手のドレスを着たアズールさんは、私に勧められるがままげっそりとした顔で、ソファに座った。「お疲れさまでした! あ、これ、お茶ですよ。疲れを癒す甘い薬草茶です!」 そう言って、お茶を出すと、アズールさんは一口飲んでハアと、ため息を吐いてから口を開いた。「リョウ殿ー、ひどいでありますよー。疲れたであります……」「すみません! でも、ありがとうございました!」 今日は、アズールさんとシルバさんのお出かけの日だった。 女の子らしい服を着たかわいいアズールちゃんと出かけたい! というシルバさんの要望に応える形で、アズールさんがいつも着ないような女性らしい服装にしてもらったりもした。 本当に、お疲れ様です! ありがとうございます! 私は改めて心からの感謝を伝えると、アズールさんに向き合う。「それで、シルバさんとはどのような話を……?」「あ! そうであります! リョウ殿! 朗報ですよ! なんと、リョウ殿の筆頭10柱入りが果たせそうであります! 今度の商人ギルドの筆頭の会合に行けるそうであります!」「ええ!? 本当ですか!?」 予想外の回答が返ってきて、思わず奇声を上げてしまった! だって、早っ! 想像以上に早い!