「あー、そう思うよねー…」行きつけの近くのカフェでココアのカップをふーふーと冷ましつつ、どこか遠い目をした善逸は口を開いた。目覚めた善逸の最初の仕事は『旦那の拘束から抜け出すこと』である。善逸と宇髄の身長はふた周り以上、体重に至っては倍ほども違う。ベッドは通常の体格の人間が2人で寝るにはちょうどいいサイズのダブルベッド。規格外の大きさである宇髄であるが、さすがに少しは余裕もある。だがそれは普通に、あくまで普通に横に並んで寝た場合にのみだ。普通に寝てないのか、と思ったことをそのまま疑問として口にした炭治郎に、ココアを啜りながら半ば呆れたように善逸が言った。