「冗談はよしてくれ。なんせお前は――男・じゃないか」 そう、白兎はそこら辺に居る女子よりも可愛い見た目をしていて、尚且つ女子制服に身を包んでいるのに、実際は男なのだ。 とは言ってもオカマと言う訳ではなく、ただ単に可愛い服が好きなだけらしい。 当然、恋愛対象も女の子だ。 入学当初は、白兎が男だという事実を知った男子達が悲鳴を上げてうるさかったものだ……。「もう、ノリが悪いな~。ま、用件は株についてだよね?」 白兎は不満そうな顔をわざとした後、そう尋ねてきた。 まぁ俺が白兎を尋ねるとしたら、それくらいしかないわな。「そうだな。ただ本題に入る前に聞きたい事がある。お前はこの企業の中から今株を買うとしたら、どれを買う?」 俺はそう言って、企業の名前がリストアップされた紙を見せる。「全部関連会社だね。そうだなぁ……この四つのどれかだね」 そう白兎が選んだ企業の中には、俺が思ってる会社は選ばれなかった。 流石にこれだけじゃあ駄目か? 俺がそう考えると、白兎が何かを思い出したかのように手をポンっと叩いた。「もしかしたら、この会社を買うかもしれないね」 そう言って白兎が指差したのは――平等院システムズだった。「何故、もしかしたらなんだ?」 俺はすかさず白兎に尋ねる。「う~ん、これは確実な話じゃないんだけど……この企業って大きくて株価も安定しているんだけど、ここ最近は大した成績があげられてないんだよね。そのせいかわからないんだけど、近々――とはいっても、数か月単位の話なんだけど、大きな発表があるんじゃないかって一部で囁かれているんだよ。だから、もっと情報が集まれば僕ならこの企業の株を買うね」 白兎は自信有り気にそう語った。「じゃあ、もしこの二週間以内に一つの企業の株で勝負をするとしたら、白兎はこの中でどの株を買う? インサイダー取引というのを抜いたうえで、相手は平等院財閥の重役だ」 俺は切りこんだ話をしている事を自覚して、そう話をする。 どうせ他言はしない様に最後には契約書にサインさせる。 だから問題ない。「なるほど……だったら、まず間違いなく平等院システムズの株を買うね。他の企業の株は上がるだろうけど、そこまで大きく跳ね上がったりはしないから、勝負事には向かないと思う。となれば、近々大きな発表があるかもしれないと囁かれる情報が、平等院財閥の重役が相手と言う事で、確かな情報だと言える。しかも、それがこの二週間以内に来ると言うのも」 俺は白兎の言葉にニヤっと笑う。