俺は肉を焼いて、炒めものを作ろう。 ミャレーが採ってきてくれた山菜の茎を重曹でアク抜きして食べやすい大きさに刻む。 油揚げとさつま揚げをシャングリ・ラで購入して、これも短冊形にカット。油揚げは油抜きした方がいい。 それらをフライパンで炒めて、出汁の素を少々――最後にメ○ミで味付けして完成。 メ○ミってのは度々、俺が料理で使っているが、地元で味付けに使われている『めんつゆ』みたいな物。 最近、獣人達も醤油の味に慣れてきているので、大丈夫だろう。生醤油は未だにダメみたいだが。 いつものように外にテーブルを出して、夕食を食べる。「ぷは~! うめぇ!」 ニャメナが、焼酎を飲んで炒めものを酒の肴にしている。醤油系の炒めものにワインは合わないからな。「今日の料理は……凄い美味いってわけじゃないけど、なんだかほっとする味だな」「これは、俺の地元で普通に食われてた惣菜だよ」「この茶色いのは? なんか魚っぽいけど……」「魚のすり身を固めて蒸して、油で揚げた物だな」「こっちの黄色いのは?」 そりゃ、油揚げだ。「豆を煮て、そいつをすり潰して固めた物を、最後に油で揚げた物だな」「なんで、そんなに手間暇掛けた食材ばっかりが、アイテムBOXに入っているんだい?」「なんでって――そりゃ、美味いからだよ。お前等があまり好きじゃない、豆を発酵させたソースだって、半年から1年ぐらい掛けて作るし」「はぁ……」 彼女が焼酎を入ったグラスをテーブルに置くと、うなだれる。「ニャメナが溜息をつく事はないだろ」「俺は呆れてるんだよ」「美味けりゃ、なんでもいいにゃ」 ミャレーは美味けりゃいいタイプなのだが、ニャメナは色々と気になる性格のようだ。 普段の行動をみていると、ニャメナのほうが大雑把そうに見えるんだが、意外と細かい。